北極星を探す目印となる北斗七星
北斗七星を含む星座が「おおぐま座」です。

ゼウスの浮気が原因で熊に変えられた妖精カリストと息子アルカスの物語が神話に描かれています。

全天で3番目に大きな星座で「渦巻銀河M81」や「ふくろう星雲」など多くの銀河や星雲がみられます。

  • 視力検査に使われた星「ミザール」〜死兆星ではない
  • まさに定番の美しさ 渦巻銀河の「M81」
  • フクロウの顔みたいな「ふくろう星雲」
  • 宇宙のはるか彼方を探索する「ハッブル・ディープ・フィールド」プロジェクト

などがおおぐま座の代表的な天体です。

このページでは、おおぐま座の由来となったギリシャ神話や、おおぐま座に含まれる個性豊かな天体を楽しく解説しています。

おおぐま座は全天で3番目におおきな星座

「北斗七星」といえば「オリオン座」と並んで、非常に有名な星の並びです。

北斗七星の配置図

この「北斗七星」は、春の星座「おおぐま座」の一部。
背中からしっぽの部分に該当します。

おおぐま座の配置図

日本では古くから「ひしゃくぼし」といわれていました。
その名の通り「ひしゃく」に似ているからですね。

1980〜90年代には伝説の暗殺拳関連で有名になっていたりもします。

北斗七星は北極星のまわりをまわっているため、北極星を探す目印としても利用されます。

北極星の見つけ方

おおぐま座は全天88の星座のうち、3番目に大きな星座です。

おおぐま座は春の星座に分類されますが、秋以外の3シーズンで観測するこができます。
最もよく見えるのは春の夕暮れ後の比較的早い時間、午後8時くらいです。
明るい都会の夜空でもみつけやすいのでぜひ探してみてください。

さて、では例によって星空の写真から星座を探してみましょう。

星空のおおぐま座

北斗七星はみつけやすいので簡単ですね。

北斗七星おおぐま座

星空の北斗七星

オーロラと北斗七星

ひしゃくをカーブにそって下の方に伸ばしていくと、オレンジ色に輝く1等星「アルクトゥルス」が見つかります。

さらに伸ばしていくと青白く輝く1等星「スピカ」があります。この大きなカーブを「春の大曲線」といいます。

おまえは見えるか?あの死兆星が!

北斗七星の柄の下から2つ目の星がミザールという2等星の恒星です。

その横によくみると小さな星があります。
アルコルという4等星です。
おおぐま座80番星とも呼ばれます。

視力がよければ肉眼でも観測できるので、
古くから視力の検査として利用されてきました。

見えたからといって死ぬわけではないのでご安心ください。
ラオウに何か言われても気にしないでください。

おおぐま座にまつわる神話〜浮気の結末は夜空の熊

おおぐま座の神話に登場するキープレーヤーはまたしても大神ゼウス。
ギリシャ神話界最高の女好きです。

大神ゼウス

ゼウスは星座にまつわる神話の多くに登場しますが、その多くが色恋沙汰。
今回も例外ではありません。
お相手はカリストという美しいニンフ(妖精)です。

月の女神アルテミスに仕えていたカリストですが、ゼウスとの間に子供を授かります。
この子供をアルカスと名付けました。

それを知った上司のアルテミス、不倫相手の子供を生んでしまったカリストを追放します。
ようはクビです。

しかし、ゼウスの妻ヘラの怒りはこの程度では収まりません。

「貴様には、追放なんてまだまだ生ぬるい!」

若くて美しい娘に対する嫉妬と憎悪はそれはそれは凄まじいものでした。

ヘラは、カリストの秘孔を突いて、もとい、呪いを使って熊に変えてしまうのです。

嘆き悲しんだカリストは森の中へ姿を隠します。
そこで誰にも顔を会わさずにひっそりと暮らしていました。

一方、カリストの息子アルカスはすくすくと成長します。
狩りの腕も一流になりました。

あるときアルカスは森の中で大きな熊と遭遇します。
そう、熊の姿に変えられてしまったカリストです!

カリストはすぐさま目の前の青年がアルカスだと気づきました。
まさに感動の再会シーン!

カリストは両手を広げて

「ああ、アルカス!あたしのかわいい息子!」

・・・・
・・・・
・・・・

いや、ちょっと待った!
カリスト的には感動の再会ですが、自分が熊になっていることを完全に忘れています。

そんなわけで、アルカスからみるとこんなかんじ。

熊

大きな熊が立ち上がって両手を広げて「ガァ〜〜〜」

「うおっっ、デカい熊が吠えてる!」
「これは一発で仕留めないとヤバい!」
「よしっ!勝負だ!」

となってしまいました。
仕方がない、狩人ですから。
ハンターの血が騒ぐのです。

これを天上でみていたゼウス。

「これはいかんっ!」
「どうしよう、どうしよう」
「えーい、まとめて熊にしてしまえっ!」

となって、急ぎアルカスも熊にしてしまいました。
すごい解決策です。

そして、すぐさま2頭の熊のしっぽをグイッとつかみ、ブンブン振り回して天空に思いっきり放り投げて星座にしてしまいました。

母カリストが「おおぐま座」、息子アルカスが「こぐま座」というわけです。

浮気の結果をすべて葬り去る究極の解決策。
妻も子供も夜空に永久保存です。

星座になったカリストとアルカスは、仲良く北の夜空をまわることになりました。
めでたしめでたし・・・どうにも釈然としないような気がしますが。

さて、改めてこの神話を要約すると、

おおぐま座の神話の要約
ゼウスはカリストと不倫をして子供をつくりアルカスと名付けた。しかし妻にバレてしまい、激怒した妻はカリストを熊に変えてしまう。熊となったカリストは事情を知らない息子に殺されそうになったので、ゼウスはあわてて二人を天に放り投げて星座にしてしまった。カリストだけでなく、将来有望なアルカスの人生までゲームオーバー、終了です。

うーん、ゼウスに人生を振り回されただけではないかと。

そういえば、熊にしてはどちらも尻尾が長すぎると思いませんでしたか?
じつはこのときゼウスがぶん回しすぎて尻尾がビヨ〜ンと伸びてしまったのだそうです。

うーん、文字通りゼウスに振り回されましたね。

おおぐま座を彩る銀河や星雲たち

おおぐま座には数多くの星雲や銀河が存在しています。

「M81」は美しい「渦巻銀河」です。
これぞ銀河。
銀河の定番みたいなビジュアルですね。
おおぐまのうなじのあたり、北斗七星の柄杓の右上にあります。

M81

近くに「M82」があります。
下の写真の右側がM81、左上がM82です。

M81とM82

M82特異銀河と呼ばれます。

M82

もともとはM81のような渦巻銀河だったのですが、二億年ほど前にM81急接近したときに損傷をうけました。
その影響で星間ガスや大量の星が銀河から噴出しています。

下の写真下側の青い天体が「M97」です。「ふくろう星雲」と呼ばれています。
北斗七星の柄杓のすぐ下、柄杓の底付近にあります。

ふくろう星雲

ふくろう星雲は、太陽くらいの質量の恒星が寿命の末期に外層を吹き飛ばしてできた「惑星状星雲」です。
直径は約7.3光年と非常に大きいです。
まるでフクロウの顔のようにみえるから「ふくろう星雲」です。

「M108」はふくろう星雲の近くにある「渦巻銀河」です。

M108

渦巻銀河をほぼ真横からみているためこのような形状になっています。

北斗七星の柄の端付近には「M101」があります。(下図)

M101

もう少し拡大してみましょう。

M101中心部

ハッブル・ディープ・フィールド〜はるか彼方の宇宙を探索

「ハッブル・ディープ・フィールド(HDF)」というプロジェクトがあります。

「ハッブル宇宙望遠鏡」を使って、はるか彼方の宇宙を探索するもので、このプロジェクトの対象として北斗七星の北の領域が選ばれました。

ハッブル宇宙望遠鏡とは、地上から600kmほど上空の軌道上に設置された宇宙望遠鏡です。地球の大気の影響を受けないため、より高精度な観測ができます。

ハッブル宇宙望遠鏡2

ハッブル宇宙望遠鏡1
(参考元:NASA – About the Hubble Space Telescope

ハッブル宇宙望遠鏡によってたくさんの銀河や天体が撮影されています。

宝石箱みたいですね!

ハッブル・ディープ・フィールド